仏教解説

18 仏教とはなにか -ブッダについて- ⑨

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 教団の内部には属さないが、教団の存続上必要なのは在家の信者でした。そのうち男をウパーサカ(優婆塞:うばそく)、女をウパーシカー(優婆夷:うばい)といいます。マガダ国のビンビサーラ王や、コーサラ国のパセーナジ王をはじめ、大臣や将軍、大小の商工者、一般庶民など、信者には社会のあらゆる層を網羅していました。妓女(ぎじょ:遊女や芸妓のこと)や賤民(せんみん:カーストでいう最下層の身分のこと)も例外ではありませんでした。一方、世襲的宗教家のバラモンも、あるいは出家して教団に加わり、あるいは外護者(げごしゃ)として援助しました。

 いつの時代でも、インドにはカーストとよばれる特殊の階級制度が存していました。ブッダはもとより出家者であって、社会改革者ではないから、カースト制そのものの改廃を考えたわけではありません。しかし「あらゆる河川の水が海に入ると、ただ一種の海水となるように」仏教の教団に加入した者においては、もはや出身のカーストは何ら意味を持ちませんでした。なおかつ、出家者は社会機構の束縛を受けなかったから、王者でも、ブッダやその弟子に対しては特別の敬意をはらいました。一時、サーヴァッティー全市を恐怖に陥れたアヒンサカ(アングリマーラ)でさえ、ひとたび改心してブッダの教団に出家した以上は、これを捕えようとして追って来たパセーナジ王もまた、出家者としてアヒンサカに対して敬意を表したのでした。

 パセーナジ王がブッダに帰依したことについては、その妃マリカー(マッリカー)の影響があったと信じられています。王妃マリカーは自らもブッダを訪ねて教えを聞き、王の信仰を指導したのでしたが、不幸にして王に先立って死んでしまいました。なお、その娘でアヨードャー国に嫁いだシュリーマーラーは大乗経典「勝鬘経(しょうまんぎょう)」の主人公として知られています。

 マガダ国のビンビサーラ王の妃ケーマーは、はじめ傲慢でしたが、のちに心を改めて出家し、智慧のすぐれた尼僧として讃えられました。

 ヴェーサーリーの妓女アンバパーリーもまた、熱心な仏教信者でした。彼女は郊外にある自分の持ち物の林を僧団に寄付しました。また彼女からの招待の先約があったため。ブッダがリッチャヴィ族の青年貴族たちの招待を断ったこともありました。*


*渡辺照宏著 「仏教のあゆみ」
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