仏教解説

3 仏教とはなにか -仏教とは-

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 仏教は現在アジアの各地に広く行われ、南はセーロン、ビルマ、タイ、カンボジア、ラオウス、安南など、北は中国、朝鮮から日本に及ぶまでの生きた宗教となっています。そのほか、数の上では少ないけれども、熱心さにおいては決して劣るとは言われない白人の信者や研究者が、ヨーロッパにもアメリカにもいます。この広い土地にわたり、二千五百年の長い間行われてきた仏教が、決して単純ではないことは明白です。

 もちろん、キリスト教などにしても、旧教と新教、またその個々の宗団によって、教理や儀礼は、必ずしも同一ではないことはもちろんのことながら、仏教の内部におけるほど著しい違いは見られません。ユダヤ教やイスラム教などが、比較的純粋な形を存しているのを見ても、世界的大宗教の中で、仏教だけが特に複雑な構造を持っているように思われます。同じく仏教といっても、無神論とも言えるような合理主義的な教えもあり、その反面では、熱烈な偶像崇拝も見られます。個人の人格完成を唯一の目標とする説も、人間的な営みを放棄して絶対信仰に身を任せるという教えも、分け隔てなく仏教という名で行われています。

 一体どうしてこういうことになっているのかというと、それは仏教自体の持つ性格からきたものです。

 仏教はだいたいにおいて、いつの時代にも、自分の教理だけを正しいと主張して、他の立場をあたまから否定するような態度は決してとりませんでした。他の宗教の立場にも、相対的な価値を認めていたのでした。つまり、仏教独自の立場が純粋な形で行われるということは、比較的少なかったのです。

 仏教が寛容な宗教であったというもう一つの理由として、この宗教の行われた国々の人々、たとえばインド人や中国人、日本人について考えてみると、おそらく理由はそれぞれ違うかもしれませんが、いずれも宗教的に寛大な国民であって、ヨーロッパなどで見られるような偏狭さが見られないのです。*

 仏教は異端の連続ということも言われます。それは、その時代、国に応じて、その風習や思想形態を包括して取り込んでいくのです。排斥するのではなく、むしろ肯定し、昇華してきた歴史があるからこそ、仏教内での宗派が多数にわたって現在でも残っているのです。またこれは後述する機会もございますので、その時に書かせていただこうかと思います。


* 渡辺照宏著 「仏教のあゆみ」
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