FC2ブログ

日常

インターンシップ

 ←76 人間としてのブッダ -最後の旅- ⑤ →77 人間としてのブッダ -聖者の死- ①
 十月十二日、十三日の二日間、私の母校でもある高校生のインターンシップ(職業体験)が当山でありました。

 地元の商工会議所より、インターンシップの受け入れ要請が七月後半にありました。受け入れ時期は上記の二日間ですが、この時期は忙しい日が多く、そこまで様子を見ることが困難だったので、お断りすることも考えておりましたが、受け入れできる職場が少なければ学校側も困るでしょうし、なにより、私自身貴重な経験ができるであろうと思い、受け入れをさせていただくことに致しました。ただし、仕事に関しては専門的なこと(御祈祷や御供養、納経書き等)が多いので、清掃が主な仕事と書かせていただきました。

 九月後半、学校の主任の先生より連絡がありました。要点をまとめると、「学校にきてもらい、質疑応答をしていただきたい」ということでした。急だったこともあり、どうしてもその予定日に出ることができなかったので、それに関しては丁重にお断りをすると、後日先生だけ当山に来て、仕事の内容や持参する物を聞きたいと言ってこられたので、「それは問題ないです」とお答えしました。

 十月に入り、先生より当山へ来られる日の連絡がありました。先生だけ来られるのだろうと思っていたら、インターンシップに来られる生徒さん五名(男子生徒のみ)と一緒に来られました。仕事の内容を説明し、当日持参いただく物をお願いしました。どこまで私ができるのかは分かりませんが、できる限り彼らの将来の事を見据えて、私の経験をふまえた上で、少しでも彼らの可能性を開くよう努力していこうと気を引き締めました。


 午前中は外掃除をしてもらうため、外掃除をしていただいている従業員さんにお任せし、午後より私が彼らについて仕事をしていくというやり方にしました。理由は、不定期にご祈祷やご供養、納経書きの仕事がございますので、一日ずっと見ておくことができないというのが一番ですが、もう一つとしては、私の目だけではなく、何人かの目で見れば、私では気づかない部分も見えてくるだろうと考えたからです。その旨を従業員さん二人にお願いしました。


 十月十二日の朝九時前に、五人が揃って正面玄関に来ました。彼らに仕事の段取りを説明し、早速境内の掃除をしていただきました。午前中の仕事が終わり、昼食を食べた後、今度は私が彼らを引き連れて本堂掃除へと行きました。なぜ本堂の中と外の掃除にしたのかというと、通常ならお堂の掃除はできないからです。私自身、高野山での修行中、大伽藍のお堂掃除を監督さんのご厚意でさせていただいたことが、今ではいい思い出となっています。(当時はあまりよく分からなかったですが・・・)
 早速彼らと本堂へ行き、本堂内で掃除機をかける人と、本堂外の欄干や手すりの雑巾がけをしてもらいました。それが終わった後、本堂までの階段を掃除していただき、最後に簡単なお勤め、お話しをして一日目は解散しました。


 二日目、定刻より少し前に集合されたので、この日の午前中は裏庭の掃除をしていただきました。お昼までしていただき、昼食後は廊下掃除をしていただき、その後は趣向を変えて納経書きの練習を全員にしていただきました。なぜかというと、掃除でも、納経書きでも、拝むことでも、どれもお寺の大事な仕事です。ぜひすべてを体感していただきたいと思ったからです。
 書き方を教え、見本を渡し、練習をしていただきました。練習の最中に団体さんが来られたので、私と同僚の人でどのように納経を書くのかを実際に見ていただきました。その後、彼らに清書を書いてもらい、お勤めに行きました。前日より大きな声が出ていたように感じました。
 最後に控室にしていた部屋を掃除していただき、清書で書いていただいた納経を渡し、解散とさせていただきました。


 この二日間で関心したことは、礼儀正しく、真摯に与えられた仕事を全うする姿勢が見えたことです。お恥ずかしながら、私が高校生の時など、遊びほうけていて、礼儀作法など全くといっていいほどありませんでした。
 また、初日のお勤め後、「最後も一礼したほうがよいのですか?」と聞かれたので、「そうです」とお答えすると、「すみません、できておりませんでした」と、すぐに自分の非を認めた子がいたのです。これには本当に驚きました。大人でも自分の非を認め、謝ることができる人は多くありません。しかし、彼らの中の二人はそれが自然にできたのです。これは私自身も気を付けていることでもあります。彼らの姿を見て、私も気を付けないとと自己反省をしました。
 また、その子は二日目のお勤め後、本堂から階段を下りている最中に、「この二日間で自分の中で何かが変わったように思います」と言ってくれました。そう思っていただけただけでも有難かったです。
 さらに、あまり目立つ子ではありませんでしたが、仕事をしている時、友人が話をしていたら「喋ってないで仕事をしろ」と言っていたらしいのです。これもなかなかできることではありません。相手の間違っている部分を正すということは、人によっては疎まれることも多々ある中で言うことができた、おそらく彼は本当の意味において友達思いなのでしょう。それにも感動しました。


 人の数だけそれぞれの考えがあります。しかし、仕事をするに当たっては、やはり真摯に努力してゆくほかないのです。そのことをお伝えしていかなければならない私ですが、逆に気づかされたことばかりでした。このたびのインターンシップは、私の経験の中でかけがえのない素晴らしい出来事となりました。彼らに恥じない生き方ができるよう、これからも精進していきたいものです。この場を借りて御礼申し上げます。有難うございました。
スポンサーサイト



もくじ  3kaku_s_L.png 日常
もくじ  3kaku_s_L.png 四国遍路
もくじ  3kaku_s_L.png 結衆
もくじ  3kaku_s_L.png 仏教
もくじ  3kaku_s_L.png 仏教解説
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png 巡礼
【76 人間としてのブッダ -最後の旅- ⑤】へ  【77 人間としてのブッダ -聖者の死- ①】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【76 人間としてのブッダ -最後の旅- ⑤】へ
  • 【77 人間としてのブッダ -聖者の死- ①】へ